医療法人社団晴和メディカル

保存期腎不全

慢性腎臓病がある程度進行すると回復することができないレベルに達します。これが慢性腎不全と呼ばれる病態です。そのまま放置すれば確実に腎機能は悪化の一途を辿り、やがて透析を免れることはできなくなるでしょう。

そろそろ透析、と言われたら……

悩んでばかりいないで、是非当院の保存期腎不全外来にお越しください。

その際、今までの血液検査、尿検査、健康診断の結果など、ありったけのデータを持ってきてください。
とくにBUN(血液尿素窒素)、Cr(クレアチニン)、尿蛋白のデータはあればあるほどいい。ずっと前のデータも重要です。十数年、いや何十年前のデータでも、それが残っているなら持ってきてください。

そして、次の質問にある程度答えを用意しておいてください。まず間違いなく担当医師から訊かれます。昔のことを今更掘り起こしても…と思われるかもしれませんが、これまでの病歴(既往歴といいます)がこれからの戦略を立てるために非常に重要な手がかりとなるのです。

  1. 最初に腎機能障害が見つかったのはいつ頃ですか?
  2. 腎生検を受けたことがありますか? またその時の診断名を覚えていますか?
  3. 低タンパク、高カロリーの食事療法は実践していましたか?
  4. 高血圧、糖尿病など、腎臓以外の病気はありますか?

これで受診の準備は万端です。さあ、上尾駅前クリニックへ電話しましょう!

(代表)048-772-7720
【注】電話は内科の診療時間内におかけください。

まず現実を知ること

厳しいかもしれませんが、最初に現実についてお話しします。その現実を知るために、今までの病歴を聴取させていただき、検査データを詳しく拝見します。そして、あなたの腎不全が現在、どの程度のところに達しているのかを明らかにします。

当院ではまず最初に、1/Cr(クレアチニンぶんのいち)グラフを作成します。
持参していただいたデータの中からCr(クレアチニン)を逆数(1/Cr)にしてグラフにしたものです。

これは当院に通院中のある患者さんの1/Crグラフです。縦軸が1/Cr、横軸が時間経過です。

まず、点がたくさん集まるところを狙って直線を引きます。この直線が、グラフの下側にある一本の赤い下線と交わる日を割り出します。その日こそが、透析を始める日になります。

このグラフの患者さんは、このままだと、6年(72ヶ月)後には透析導入となる可能性が高いと考えられます。

保存期腎不全外来では、まず最初の日にあなたの1/Crグラフを作ります。そこから算出される「透析開始予定日」こそが、あなたにお知らせしなければならない「現実」なのです。

この現実から目を背けないでください。ここから逃げ出したら、1/Crグラフが指し示す未来が予定どおりに訪れるだけです。

透析を始める日を先延ばしするには

もう一つ、別の患者さんの1/Crグラフをご覧いただきます。この方の場合、青の直線のように右肩下がりで腎機能は低下していたのですが、およそ2年前から直線の傾斜が非常に緩やかになりました(ピンクの矢印)。
その後、現在に至るまで、腎機能は赤い下線とほぼ平行を保ちながら透析を回避し続けています。

青い線のままだったなら、およそ10ヶ月前には透析を始めていたはずです。節目が変わったのは24ヶ月前。このとき、いったい何があったのでしょうか? 何か特別な治療法でも受けたのでしょうか……?!

特別なことは何もしていません

当院の保存期腎不全外来で行う治療は、どこの病院でも行っているような、ありきたりなものばかりです。ただ、それを懇切に説明し、確実に実践していただくことに力を入れているだけです。

著名人をスリムにするCMで有名な某トレーニングジムと同じです。どこでもやっている筋トレや食事制限を、どこよりもしっかりと続けさせることで、多くの人をダイエット成功に導いています。

当院も、ごく当たり前なことをしっかりと継続して実践していただくよう懇切に指導し、一人でも多くの方の腎機能低下をストップさせたいと願っています。

保存期腎不全外来の診療内容

当院では、
1. 食事療法
2. 検査
3. 自己管理
を診療の3本柱として重視しています。

1. 食事療法

  1. 高カロリー・低蛋白:腎機能低下を食い止める最強の手段です
  2. 塩分制限:高血圧を防ぎ、腎臓の負担を減らします
  3. カリウム制限:腎不全になると溜まりやすくなるので制限します
  4. リン制限:腎不全の合併症である骨の病気の発症を防ぎます

これらの食事制限を上手に実践していくことができれば、腎機能低下にストップをかけることが十分可能です。そのためには、現在の食事がうまくいっているかどうかの検査を定期的に行い、問題点が見つかれば栄養指導で微調整を加える、という地道な作業を継続することが、最も効果的な腎不全治療と考えられます。

2. 検査

  1. クレアチニンクリアランス:正確な腎機能レベルを測定します。血液検査と蓄尿検査が必要です。
  2. 一日蛋白摂取量推定:だいたいどれくらいの蛋白質を摂っているのかが数値で表されます。この検査には蓄尿が必要です。
  3. BUN/Cr比:食事療法がうまくいっているかどうかの判断材料となります。
  4. RBC, Hb, Ht:腎不全の合併症である貧血を判断します。
  5. 胸部レントゲン:腎不全進行に伴う心不全や肺うっ血の発見に有用。
  6. 血液ガス検査:腎機能が低下すると血液に酸が溜まってきます。その程度を血液pHや重炭酸イオンの値で判断します。
  7. リン、カリウム、副甲状腺ホルモン:腎不全が進行してくると上昇してきます。

その他、心電図、腹部超音波、心エコー、骨密度測定など、適宜検査を実施します。

3. 自己管理

当院では毎日血圧を測定し、ノートに記して持参していただきます。朝夕の1日2回測定するのが望ましいですが、1日1回、朝だけでも構いません。いっしょに体重も測定していただきます。

腎不全が進行すると血圧が上昇してきます。腎臓に負担をかける塩分が多すぎても高血圧傾向になります。いずれにせよ、血圧が安定しているかどうかを日々チェックすることが重要なのです。

また、腎不全により尿毒素が体内に溜まってくると、筋肉量が落ちてきて少しずつ痩せ始めます。逆に末期に近づくと尿量が減って体内に水分が溜まり、体重が増えてくることもあります。だから、体重の記録があると、腎不全の進行の度合いが推定できるのです。

それと、毎日記録をつけることで、腎臓病と向き合う心構えができてきます。何もしていないと、次の診察まで無自覚のままで過ごし、結果、腎機能を悪化させてしまうかもしれません。

毎日、血圧と体重を測定し、ノートにつけること。いろんな意味で大切なのです。

保存期腎不全外来でお待ちしております

前述のとおり、当院では栄養指導と検査のコンビネーションを主軸として診療しています。

栄養指導は毎回受けてもらっても構いません。ちょっとした疑問でも、何でもお答えします。しっかりと食事療法を続けてきた成果を、血液検査と尿検査で確認し、栄養指導で新たな戦略を練るのです。毎月、この繰り返し。

食事療法には根気が必要です。長く頑張ってきたのに、あるとき急に全部放棄してしまいたくなることもあるかもしれません。そこで、提案があります。
保存期腎不全外来を受診した日は、特別デー食事制限のことをいったん横に置いておいて、月に一度の制限フリーの食事を摂ってもよいことにしましょう。毎月のご褒美として、また新たな一ヶ月をがんばっていく目標として、普通の食事をお楽しみください。

毎回、自分が置かれている現実を見つめ、それに対応して食事を調整する。これが一番大事です。現実から目を背けているうちに腎不全の末期になり、緊急透析導入となったケースを私たちは何度もみてきました。

残念ながら、食事療法を続けていれば透析を永遠に回避できる、という保証はありません。

でも、透析導入の日を1日でも遅くすることが可能です。仮に透析導入となる日が来ても、安全な計画的透析導入ができます。前述の緊急透析導入は生死の分かれ目です。そんな危険な目には遭わせたくないのです。

今のあなたにとって最善策は何か? それを毎回問い続けながら、当院の保存期腎不全外来は親身にあなたの腎臓を守ります。

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