医療法人社団晴和メディカル

予防接種

予防接種はなぜ必要なのでしょうか?

ひとたび細菌やウィルスに感染すると、私たちの体には、敵(細菌・ウィルス)のことを記憶し、同じ敵の再侵入を防御するシステムが構築されます。このシステムのことを免疫と呼びます。

実際に感染症に罹患すれば免疫を得られるのですが、感染症に罹らずとも免疫を得る方法があります。それが予防接種です。

とくにひとたび罹患すると重症化しやすい感染症や後遺障害を残すような感染症は、罹患する前に免疫を作っておくことが大切です。

予防接種には定期接種と任意接種があります

定期接種とは、予防接種法で定められた期間内であれば、公費助成により実質無料で受けることができるワクチン接種のことをいいます。

任意接種とは、予防接種法で定期接種に指定されていないワクチン接種を指します。一部公費助成を受けることができるものもありますが、多くの場合、全額個人負担となります。任意接種の料金はワクチンの種類、実施する医療機関によって変わってきますので注意が必要です。

当院で実施可能な予防接種について

当院は現在のところ上尾市医師会に所属していないため、定期接種の公費助成を受けることができません

定期接種をご希望の方は、上尾市医師会のホームページで該当する医療施設をお探し下さい。

従いまして、当院で実施可能なのは、任意接種のみとなっております。定期接種の指定期間を逃してしまったケースでも下記料金にて実施いたします。

また、ワクチンによっては在庫がない場合もありますので、当院でのワクチン接種をご希望の方は、予め電話か窓口にてご確認下さい。

ワクチン名価格
MR混合11,200円
麻疹(はしか)5,950円
風疹5,950円
流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ)5,950円
水痘(みずぼうそう)8,100円
肺炎球菌8,100円
B型肝炎5,950円

予防接種 Q & A

麻疹(はしか)

麻疹ウィルスに罹患して発症する病気です。麻疹ウィルスは非常に感染力が強く、重篤な合併症をもたらす可能性がある、危険なウィルスです。

感染経路は飛沫感染か、空気感染です。感染者と接触するだけでも感染する可能性があります。
高熱に続いて全身に発疹が出ます。とくに口腔粘膜に白いブツブツができる(コプリック斑といいます)のが特徴です。

  1. 高熱、鼻水、咳といった風邪に似た症状が3〜4日間持続します。
  2. その後いったん熱が下がり始めますが、その頃に口腔粘膜に白いブツブツが出現します(コプリック斑)。この白斑が出ている頃が最も他人への感染力が強くなる時期です。
  3. その後、再び高熱が出現し、顔、首まわりなどに赤い小さな発疹が現れ、次第に全身へと広がっていきます。
  4. 発疹は3日ほど続き、解熱とともに消退します。

風疹は比較的軽症の疾患ですが、稀に脳炎(6000人に1人)、血小板減少性紫斑病(3000人に1人)を発症することがあります。また、妊娠初期の妊婦さんが風疹に罹患すると、赤ちゃんに難聴、白内障、心疾患、精神遅滞などの症状が発生する可能性があります。これを「先天性風疹症候群」と呼んでいます。

風疹ワクチンは弱毒生ワクチンですので、妊娠初期に接種すると自然感染同様、先天性風疹症候群を発症する可能性は否定できません。よって、妊娠している可能性が考えられる場合は予防接種は受けない方がよいでしょう。ただし、風疹ワクチンの安全性は高く、妊娠中に予防接種を受けて先天性風疹症候群が発症した、という報告は今のところありません。

そのとおりです。成人が風疹に罹患すると重症化しやすいと言われています。また、妊婦さんに風疹を感染させると上述の先天性風疹症候群が赤ちゃんに発症する可能性があるので、男性も予防接種する必要があります。とくに現在30才台後半〜50才台前半の男性は風疹の定期接種を受けていない可能性があるため、できるだけ予防接種を受けておくべきでしょう。

  1. ワクチンの種類:風疹ワクチン(単独)とMR混合ワクチン(麻疹ワクチンと混合)があります。通常はMR混合ワクチンを接種します。
  2. 接種回数:2回です。
  3. 接種期間:麻疹は定期接種の一つで、接種期間が法律で決められています。第1期は満1才〜2才までの1年間第2期は就学1年前から小学校入学までの1年間となっています。この期間内に接種すれば公費助成を受けられますが、これ以外の時期に接種する場合は任意接種扱いとなり、全額自己負担となります。

風疹

風疹ウィルスに罹患して発症する病気です。発熱、赤い発疹、リンパ節腫脹が主な症状です。以前より”三日ばしか”とも呼ばれているとおり、発熱は軽度のことが多く、3〜5日で解熱します。
合併症として、先天性風疹症候群が問題視されています。

  1. 耳の後ろや首のリンパ節が腫れます。押すと軽い痛みがあります。
  2. 38℃台の発熱、全身に赤い発疹が現れます。
  3. 発疹は顔、首、体、手足と広がっていき、3〜5日で徐々に消退します。
  4. 発熱も3日ほどで解熱傾向となります。

風疹は比較的軽症の疾患ですが、稀に脳炎(6000人に1人)、血小板減少性紫斑病(3000人に1人)を発症することがあります。また、妊娠初期の妊婦さんが風疹に罹患すると、赤ちゃんに難聴、白内障、心疾患、精神遅滞などの症状が発生する可能性があります。これを「先天性風疹症候群」と呼んでいます。

風疹ワクチンは弱毒生ワクチンですので、妊娠初期に接種すると自然感染同様、先天性風疹症候群を発症する可能性は否定できません。よって、妊娠している可能性が考えられる場合は予防接種は受けない方がよいでしょう。ただし、風疹ワクチンの安全性は高く、妊娠中に予防接種を受けて先天性風疹症候群が発症した、という報告は今のところありません。

そのとおりです。成人が風疹に罹患すると重症化しやすいと言われています。また、妊婦さんに風疹を感染させると上述の先天性風疹症候群が赤ちゃんに発症する可能性があるので、男性も予防接種する必要があります。とくに現在30才台後半〜50才台前半の男性は風疹の定期接種を受けていない可能性があるため、できるだけ予防接種を受けておくべきでしょう。

  1. ワクチンの種類:風疹ワクチン(単独)とMR混合ワクチン(麻疹ワクチンと混合)があります。通常はMR混合ワクチンを接種します。
  2. 接種回数:2回です。
  3. 接種期間:麻疹は定期接種の一つで、接種期間が法律で決められています。第1期は満1才〜2才までの1年間第2期は就学1年前から小学校入学までの1年間となっています。この期間内に接種すれば公費助成を受けられますが、これ以外の時期に接種する場合は任意接種扱いとなり、全額自己負担となります。

流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ)

おたふくかぜウィルス(ムンプスウィルス)が唾液腺(耳下腺、顎下腺)に感染して発症する病気です。耳下腺(耳の下にある唾液腺)、顎下腺(あごの下にある唾液腺)が腫れ、「おたふく」のように下ぶくれの顔貌になります。発熱することもしないこともあります。罹患しても症状が出ない場合もありますが、無菌性髄膜炎、難聴、脳炎など重篤な合併症を発症する可能性もあります。日本では未だに定期接種はありませんが、恐ろしい合併症を起こす可能性もあることから、必ず予防接種(任意接種)を受けておきたい病気です。

まず、どちらかの耳下腺が腫れ、次第に反対側の耳下腺も腫れてきます。両方の耳下腺が腫れるケースが70%で、片方だけの場合は30%程度です。顎下腺(あごの下にある唾液腺)も腫れます(約30%)。風邪に類似した症状(鼻水、咳)や、全身倦怠感、食欲不振などが現れます。唾液腺が腫れ始める約1日前より発熱がみられますが、発熱しないこともあります(20〜30%)。

たとえ片方でもおたふくかぜに罹患すれば終生免疫を獲得します。よって、二度とおたふくかぜには罹りません。反対側も大丈夫です。

稀ですが、重篤な合併症が発症することがあります。合併症を防ぐ唯一の方法は予防接種です。有料の任意接種しかありませんが、地域によっては公費助成が受けられる場合もあります。是非、予防接種を受けましょう。

  1. 無菌性髄膜炎:50〜100人に1人が罹患します。発熱は通常耳下腺が腫れる前にみられますが、腫れた4〜5日後から高熱、嘔吐、強い頭痛などがみられたら、髄膜炎の可能性があります。たいていは1〜2週間もすれば自然治癒しますが、稀に脳炎を併発したり、後遺障害を残すこともあります。
  2. 脳炎:無菌性髄膜炎を罹患した患者の5000人に1人は脳炎に進展する可能性があります。年間30名程度に発症し、重い後遺障害を残したり、最悪の場合、死亡します。
  3. 難聴:1〜2万人に1人の頻度で、不可逆性の難聴を発症します。片側性の場合に多くみられ、両側性難聴(聾唖)になることは非常に稀です。中耳だけでなく内耳まで破壊され、前庭症状(平衡障害、斜視、眼振など)を起こすこともあります。成人での罹患で難聴が起きやすいとされています。
  4. 膵炎:おたふくかぜ罹患後1週間程度で、膵炎を発症することがあります。腹痛、悪心、嘔吐などの症状が出ますが、約1週間で治癒します。稀に重症化することがあるので、医療機関に相談する必要があります。
  5. 睾丸炎:思春期以降に罹患する男性の20%に睾丸炎が発症します。片側ないしは両側の精巣痛が主症状ですが、おたふくかぜ治癒後に精巣の縮小を来す可能性があります。両側性に発症すると男性不妊となりますが非常に稀です。
  6. 乳腺炎、卵巣炎:女性の罹患者のうち30%に乳腺炎、5%に卵巣炎が発症します。卵巣炎では軽い腹痛がみられることがありますが、不妊になることは非常に稀です。

おたふくかぜを妊娠早期に罹患すると流産する可能性があります。奇形症候群の報告はありませんが、妊婦および妊娠の可能性のある方の接種はできません。また、ワクチン接種後3ヶ月間は避妊が必要です。

  1. ワクチンの種類:ムンプスワクチン(生ワクチン)。
  2. 接種回数:2回がお奨めですが、日本では1回接種が主流となっています。
  3. 接種期間:おたふくかぜは定期接種に含まれていないため、任意接種するしかありません。お住まいの地域で公費助成があるかどうか、問い合わせてみるとよいでしょう。ちなみに上尾市では公費助成はありません(2013年7月現在)。
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